「利用しやすく、顧客から選ばれる輸送手段」へ
公益社団法人全国通運連盟は、昭和46年(1971年)5月に公益法人としての設立許可を受け、同年6月1日に正式に発足いたしました。それまでは昭和27年(1952年)に設立された前身の全国通運業連盟として活動してきており、それから通算すれば2002年には設立50周年となります。
この間、鉄道貨物輸送と通運は、我が国の経済発展と国民生活向上に多大な貢献を 果たしてきました。通運は、政府直営の鉄道業務の一部請負から、利用者に対して直 接運送責任をもつ利用運送にいたるまで、幾多の変遷をたどりながら、鉄道とともに努力を続けてきました。しかし、これまでの長い歴史の中で、鉄道事業の経営形態が大きく変化し、鉄道と通運を取り巻く環境にも大きな変化が生まれました。
昭和62年(1987年)にはキャリアである国鉄は日本貨物鉄道株式会社に変わり、平成2年(1990年)の貨物運送取扱事業法によって通運事業から鉄道貨物輸送の利用運送事業へと変わりました。以来、通運はレール輸送のフォワーダーとして日本貨物鉄道との連携を更に密にして、鉄道貨物輸送による効率的な一貫輸送サービスを提供することに全力を傾けています。
そして、今日ほど物流の社会性が問題にされていることはありません。とりわけディーゼル車の排気ガス問題など物流に係わる環境問題に国民の注目が集まっています。鉄道貨物輸送は、従前からモーダルシフトの受け皿として期待されると共に、環境負荷の少ない輸送機関としての役割拡大を求められております。この使命を改めて認識し、また、鉄道貨物輸送のこうした特性を広く社会に訴え、理解していただくことが肝要です。
こうした状況を踏まえ、全国通運連盟は鉄道貨物輸送が「利用しやすく、顧客から 選ばれる輸送手段」となることを基本理念として、これまでの鉄道貨物輸送の広報・啓蒙活動への取り組みをはじめとして、オフレール・ステーション、静脈物流や国際海上コンテナ輸送のレール輸送への誘致など、鉄道貨物輸送の役割拡大に向けた新しい提案・試みに取り組んでいます。